日本固有の大型のニホンヒキガエル。東日本と山陰地方などに分布しているアズマヒキガエルと、山陰地方を除いて近畿以西の本州、四国、九州などに分布している基亜種サツマヒキガエルの2亜種がいる。アズマヒキガエルのほうがこまくが大きいことで区別できる。

 どっしりとした体つきに動作も緩慢で、他のカエルのようには飛び跳ねたりしない。体色は茶褐色や黄褐色、暗灰色などで、暗色や白色などのまだら模様や斑紋があるものもいる。体中にイボがあり、耳腺や背のイボから毒液を分泌し、身を守る。素手で触れないように、皮膚についたときにはよく洗うこと。

 様々な環境に生息し、人家の庭や、公園、雑木林などにすみ、主に夜活動し、舌を伸ばしてミミズ、昆虫などの小動物を食べる。繁殖期には、水田や池などの水場に多く集まり、さわがしく鳴きあう(蛙合戦)。

 産卵のために、自分が生まれた池などに帰るのもいる。オスがメスの背中に抱きつき、産卵を促す。卵塊は細長いひも状のゼリーの中に1500~8000個余り入っている。